何年か前のとある日、三浦でいつものように友人とボート釣りをしていました。
波が少し高い日だったと記憶しています。
ふと、周りを見渡すと80mほど先で1艇の手漕ぎボートがひっくり返っています。
「え!?」「転覆してる…」 突然の出来事でした。
付近には推定年齢50-60歳の夫婦らしき男女が海面に浮いています。
幸いにもライフジャケットは着ているようでしたが、潮が早かったせいかどんどん二人は流されています。
近くの釣り人は、平然と釣りを続けています。もしも、誰もボート店に連絡していなかったら大変だと思い、電話しました。
私「ボートが転覆してます」
ボート店の方「はい、今向かってます」
すでに誰かが連絡してくれていたようでした。
しばらくするとすぐに船外機船が迎えにきて、二人を船に乗せました。その場でボートを戻すのは水の影響で不可能なようで、ひっくり返ったまま陸へ引っ張っていきました。
幸い二人は無事でしたが、恐らく道具は海に沈んだでしょう、ひょっとしたら携帯や財布も…
楽しい釣りがこういった事故で台無しにならないように、今回はボート釣りの転覆事故について考えてみたいと思います。
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ボートは、船体も小さいため、乗船者の体重が船の片方に寄ると、転覆の危険性が高まります。
体重が重い方は特に注意が必要です。
クーラーなどの重い荷物も中心に寄せましょう。
・魚が釣れて全員で覗きこむ
釣れると夢中になってしまいますが、ボートの左右のバランスが崩れるため危険です。
(私もヒヤッとした経験あります。タモですくってあげる時は気を付けましょう)
・アンカーの上げ下ろしを中腰で行いバランスを崩す
転覆について 気象海況による転覆は過去に一度もありません。
年に数回ある落水の80%はアンカーの上げ降ろしによる
バランス崩しです。
引用 :相川ボート 乗船注意事項
・ボートの上で立ってしまい、バランスを崩す
ボート内で移動する際なども、重心は低く保ちましょう。
波の穏やかな日でも安心はできません。もし、以下のような状況になったらボートの向きを変え、波に対してボートの先端を垂直に向けてしのぎましょう。
・近くをクルーザーなどが猛スピードで通る。
航路近くなどで釣りをしていた場合にはその危険は高まります。
・一発波が来る
波の小さな日でも、突如大波がくる可能性があります。
「一発波」は、おおむね、2~3時間に1個の割合で発生するといわれており、例えば、波高が平均1.5メートル程度であった海域で、突如3メートルを超える大波が来襲することもあります。
引用 : 小型船事故防止のポイント 宮崎海上保安部
万が一、転覆した時に備えて以下のことを守りましょう。
・ライフジャケットを着る
ボート店で貸してくれるライフジャケットは夏は暑いため、脱いでしまう人もいますが、命を守るためには大切です。自動膨張式のものでしたら、かさばらないですし、暑くないのでおすすめです。
・ウェーダーは着ない
水が入ってしまった時にウェーダーはかなり危険です。実際に転覆を体験された方のブログを引用させて頂きます。
ハイチェストウェーダーでわき腹まで水の浸入を防いで
くれるが、一度水が入ってしまうと・・・それは下半身、
特に足の自由を奪い、単なるオモリと化す!!
必死で足で漕いでも海面で口だけ出すのがやっとの状況になる。
・スマホは防水ケースに入れよう
もし転覆して、周りにボートがいない場合、スマホがあればボート店連絡することができます。
・酒は飲まない
判断力や、身体機能が低下し、溺れる可能性が高くなります。一杯やるのは陸に上がってからにしましょう。
ご存知の方も多いかと思いますが、平成30年2月から、小型船舶の乗船者にライフジャケットの着用が義務化されました。
乗船者がライフジャケットを着ていない場合、船長には違反点数も付されます。
国土交通省の基準適合の桜マーク付きのライフジャケットを着るようにしましょう。
詳しくはライフジャケットの着用義務拡大(国土交通省HP)へ。
ボート釣り初心者の方からベテランの方まで、転覆事故を起こさないための参考になればと思います。
私もこの記事を書いたことを機に、改めて気をつけてボート釣りをしようと思います。
全ての釣り人の方が、楽しく安全に釣りができることを願っています!
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